障害者自立支援法違憲訴訟団(原告・弁護団・基本合意の完全実現をめざす会)が7日、国会内で「障害者権利条約・基本合意・骨格提言の実現めざす―基本合意10年全国集会」を開催し、障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意(2010年1月7日)からの10年間を振り返るとともに、障がい福祉施策の近未来を語るパネルディスカッションなどを行いました。
2006年に成立した障害者自立支援法では、障がい者が保健福祉サービス経費の1割を負担する「応益負担」を原則としたため、サービス利用の多い重度の障害を持つ人ほど負担額が多くなり、利用を自制せざるを得ない状況を生みました。これは憲法の定める「法の下の平等」に反し、「生存権」を侵害し、「個人の尊厳」を毀損するなどとした当事者が声をあげ、訴訟を起こしました。
同訴訟の解決に向けて協議を重ねた結果、原告団・弁護団と厚生労働省は、自立支援法廃止と新法制定など5項目から成る「基本合意」を交わしましたが、まだ実現には至っていません。
主催者あいさつをおこなった竹下義樹・弁護団長は、「2006年に障害者自立支援法が施行され、いみじくも同年12月に障害者権利条約が国連で採択された。国内では悪法が、国際的にはわれわれが依って立つ条約が成立したのだ。これを出発点として私たちの戦いが始まり、障がい者の悲痛な叫びや怒りを集めて訴訟に持ち込もうという話になった。2010年12月の「基本合意」を迎えて10年目となる本年、8月か9月には、日本の障がい者政策が国連の障害者権利委員会の場で審査される。本日の集会は、夏の審査に向けて達成度を評価し、次の10年を迎えるための一つの節目としたい」と、会の趣旨を語りました。
党を代表して出席した阿部知子衆院議員は「今、必要なのは『桜』でも『カジノ』でもなく障がい者をはじめ誰もが安心して暮らせる社会をつくっていくこと」と連帯のあいさつをおこないました。