福山哲郎幹事長は17日、常任幹事会後に定例の記者会見を開き、(1)「つながる本部」担当の選任(2)予算委員会質疑(3)芸術文化振興会の助成要綱改正――等について発言しました。
福山幹事長は同日の常任幹事会で、参院選挙で惜敗した市井紗耶香さん、斉藤りえさん、山岸一生さんの3人が「つながる本部」の担当に選任されたと報告。それぞれ専門性を活かした「子ども子育て」(市井)、「障がい者」(斉藤)の分野でのコーディネーター、「国民とのコミュニケ―ション」担当(山岸)として活躍してほしいと趣旨を説明しました。
つながる本部コーディネーターの役割については、「市井さん、斉藤さんには、まず現場に入っていただくことが重要。全国で子育てや障がいを持っている方々のサポートや、法的な整備を求める活動をしているNPOやNGO等の方々の現場を歩き、話を聞きながら国政としての政策をまとめていくためのコーディネーションをやっていただく」「山岸さんには『フェイクニュースの時代』と言われているなかで、ご自身(朝日新聞記者)の経歴も含めてファクト、国会の様子をきちんと伝えていただくことで、政治と有権者の皆さんとをつなぐ役割を担っていただきたい」と述べました。
質問通告の事前漏洩問題をめぐっては、「民主主義の根幹にかかわる問題であり、信頼関係を壊すものであり強く抗議をするとともに、調査チームを立ち上げ国会審議の正常化に努めていく」旨を確認したと述べました。
記者との質疑応答では、共同会派として臨んだ衆参両院での予算委員会質疑についての評価を問われると、「安倍政権は通常国会以来予算委員会の開会を拒否し続け、多くの国政課題が山積していた。そこに加えて、関電金品受領問題や、あいちトリエンナーレに対する文化庁の補助金不交付、NHKのかんぽ問題等が噴出しているなかでの予算委員会であり、それぞれ役割を持っていただき新しい大臣の資質も含めて質問させていただいたが、まだまだ時間が足りない。もっと安倍政権の追及をし、明らかにしていかなければならない課題が残っている。共同会派で臨んだ成果は一定あったと思うが、一方で安倍政権の答弁は相変わらず誠意のない、不十分なものが多く、まだまだ審議を尽くさなければならないというのが率直な思いだ」と述べました。
文化庁が所管する独立行政法人日本芸術文化振興会は、芸術文化活動を助成するために交付する助成金に関し、文化庁が「あいちトリエンナーレ」への補助金不交付決定をした翌日の9月27日、交付要綱を改正。「その他公益性の観点から助成金の交付(内定)が不適当と認められている場合」という文言が加えられました。このことへの受け止めを問われると、福山幹事長は「改正されたのはなぜなのか、どういう理由で誰が指示をしたのか。『公益性の観点から助成金が不適当と認められている場合』は、いったい誰がこの判断をするのか。この時期に決めることは、より『表現の自由』の萎縮効果を生むのではないか。疑問や懸念がたくさんある。しっかりと問題意識を持って事実関係をただすとともに、なぜこうしたことが起こったのかを問題提起をしていきたい」と述べました。
国会審議のなかで、赤羽国土交通大臣が八ッ場ダムについて、雨水をためたこと下流の反乱防止につながったとの認識を示したことなどを受け、「命を守る公共事業もあるのではないか」との質問には、「私どもは公共事業をすべて否定したことは一度もない」とした上で、「今回、国所轄の堤防がいくつも決壊した。国は『国土強靭化』というなかで治水の問題についてやってきたはずだが、それよりも自然の猛威の方が大きかった。そして今、何十年に一度の災害が毎年来ている。気候変動、温暖化の問題と、毎年来る台風や、多くの水の被害についてどう政府は考えているのか。そうしたなか、予算をどう配分し、全を守るためにどういった国土を作っていくのか議論を始めたいという思いだ」と述べました。