枝野幸男代表は16日、参院広島選挙区から立憲民主党推薦で野党統一候補の森本しんじさんの応援のため今選挙戦2回目となる広島県入り。JR広島駅前で開かれた街頭演説会でマイクを握り、現実に目を向けない、現場の声に耳を傾けない、いまの安倍政権の不誠実な政治を変えるために森本さんを勝たせてほしいと訴えました。
枝野代表は冒頭、「新しい時代にふさわしい、一人ひとりが真の豊かさを実感できる社会を作るために、この広島で必ず森本さんを、皆さんの力で押し上げていただきたい」と、森本さんへの支援を求めた上で、安倍総理がこの選挙で「政治の安定」を掲げていることに言及。「公文書が隠ぺいされたり改ざんされたり、国会での議論が蔑ろ(ないがしろ)にされる。こんな政治を安定させていいんですか。安倍さんは都合のいい数字だけを選んでいるが、皆さんの暮らしはどうですか。実質賃金は下がり、家計の所得は下がり続けている。非正規雇用で働く方は(第2次)安倍政権になって300万人も増え、今や働く方の5人に2人、そのうちの半数以上は厚生労働省の調査によっても、本当は正社員になりたいが、その口がないからやむなく非正規で働いている。こういう政治、こういう社会を安定させていいんですか」と問いかけました。
その上で枝野代表は、日本で暮らしている私たちはもっと豊かさを実感できる環境にあるにもかかわらず、いまの政治が社会の変化に追いついていないため、国民の暮らしにしわ寄せがいっていると指摘。「なぜ皆さんが豊かさを実感できないのか。国全体として、大きな企業が儲けてもそのお金が働く人々の賃金や、下請け、孫請けの中小企業などに流れずに大企業の内部に貯め込まれているから。この貯め込まれているお金が400兆円、500兆円とも言われている。昔は、企業が儲けたら工場を作ったり設備投資をしたり、人をたくさん雇ったり、給料を上げたりと、豊かさが国全体に広がっていた。いまの政治、政策を変え、国全体としてあるはずの豊かさをあなたの暮らしにつなげていくことが求められている」と述べました。
その具体策として、低賃金で重労働なのに人手不足の医療や介護などの分野の賃金を上げることや、残業代の支払いを徹底させること、正社員で働くことを希望しながら、いま非正規で働いている人を正社員にしていくことなどを挙げ、「働くことは生活であり人生設計だ。あなたの暮らし、あなたの賃金、あなたの人生設計は政治と必ずつながっていることをぜひ知っていただきたい。ぜひ大きな力を与えていただき、見たいものしか見ない、低賃金で働いている皆さん、老後の不安、子育ての不安を抱えていらっしゃる皆さんの現場を見ようとしない、いまの政治を変えていくためには、これまでも皆さんの暮らしに寄り添って現場の声を届けてきた森本しんじさんを必ず勝たせるしかない」と訴えました。
今回2期目の当選を目指す森本さんは、「この6年間、現場、暮らしのなかに政治が関わっていなければならないとの姿勢を持ち続け、多くの県民の皆さんの話を聴いてきた。そのなかで、野党の議員ではあっても暮らしの悩み、仕事の悩み、将来への不安、切実な思いを寄せていただいた。その声を少しでも解決していく、前に進めていくために取り組んできた」と力説。その結果、湯崎広島県知事をはじめ最前線で県民、市民の暮らしと向き合う多くの首長らから今回の選挙で支援を得ていると話しました。
森本さんは、「永田町で見た風景は、自民党議員は本当に国民の声が分かっているのか、(選出してもらった)それぞれの地域の皆さんの声をきちんと国政に届けているのかと、理解できないことが多かった。自民党の議員は安倍総理、官邸の意向を受け、顔色を窺い(うかがい)、忖度をし、国会での議論でも官邸の声を届けるための仕事をしていた」と与党議員の政治姿勢を批判。「県民の皆さんの声を届けるのが私の仕事。県民の暮らしを守る。市民の皆さんの暮らしを守るのが私に課せられた大きな仕事。支援してくださる多くの皆さんの力を結集して、この議席を守り、日本の民主主義を守っていこう」と支援を呼びかけました。