枝野幸男代表は15日、栃木県宇都宮市を訪れ、「平和憲法を守り戦争法廃止を求める6・15栃木県民パレード」に参加、その後宇都宮駅前で街頭演説を行いました。

 パレードは「戦争法の廃止と立憲主義の回復を求める栃木県民ネットワーク」が主催したもので、パレードに先立ち枝野代表があいさつしました。

 枝野代表は、自身が宇都宮市出身であり、両親から宇都宮空襲について聞かされたとあいさつし、「本当にちょっとした違いで、両親は命を奪われることなく命が私につながった。ちょっとした違いで自分が生まれていなかったかもしれないという恐怖を子どもの頃に感じた世代。日本が再び戦争の道に行きかねない、残念な流れが最近強くなってきました。なんとかここで食い止められるかどうか、この夏が大きな政治決戦だと思っています。憲法をないがしろにする政治、平和をないがしろにする政治、そしてさらには国民生活をないがしろにする政治、国民に対する説明責任をないがしろにする政治、いろいろなものがいよいよ限界に達しようとしている」と訴え、「まっとうな社会と政治へと戻っていく大きな一歩を踏み出していこう」と呼びかけました。

 宇都宮駅前での街頭演説では、枝野代表の他、参院選党公認候補予定者(栃木選挙区)の加藤ちほさん、渡辺典喜1区総支部長、伊賀央3区支部長、藤岡隆雄4区総支部長らが参加しました。

 加藤さんは、15年間国会議員の秘書として、社会のニーズに併せた、また社会の実態に合わなくなった法律や制度を作っていく現場で経験を積んできたと自己紹介。そして、「今の安倍1強政治の弊害が、本当に来るところまで来てしまった。その象徴が2000万円の発言」だ語り、参院選が近いからか国民の目から隠そうとしていると指摘。「社会保障のあり方、抜本的な改革、そして国民の負担と給付のあり方を徹底的に議論しながら、国民的なコンセンサスを得なければいけない、そんな時期に来ている。子どもたちからお年寄りの世代までが、誰もが安心して暮らすことができる私たちの国を取り戻さなければならない」と訴えました。

 枝野代表は、平成から令和に元号が変わったことについて、「人生にも誕生日とか、いろいろ節目があるように、せっかく時代の変わり目。この機会に過去をちゃんと振り返り、何を引き継ぐべきなのか、何を変えていかなければならないのか、そのことをしっかりと皆さんお一人おひとりで判断をしていただき、新しい時代に一歩踏み出す、そのための夏の選挙にしていこう」と呼びかけました。

 その上で引き継ぐべきこととして、上皇陛下の「平成は戦争がなかったことが一番重要」とのお言葉にも触れ、「平成の時代になり初めて戦争の当事者にならない時代が実現できた。だからこれは決して当たり前のことでは無いんです。70年ほど前の戦争の犠牲の反省の上にたって、努力を積み重ねてきたから平成の30年、私たちの国は戦争当事者とならない今の平和の時代を暮らしてくることができた」と振り返りました。

 変えなければならないこととして「今の日本の直面している課題に正面から向き合うこと」を挙げ、少子化、高齢化、貧困・格差の問題を例に、こうした問題に向き合うことの必要性を説き、「今の上の方ばかりを見ている時代遅れの政治を、せっかく新しい時代のスタートなんですから変えていこう」と訴えました。