国民の住まいを守る全国連絡会などの市民団体が12日、「参議院選挙と住宅政策を考える懇談会―私の住宅要求、住宅政策にもの申す―」と題した集会を行い、立憲民主党を代表して森山浩行、尾辻かな子両衆院議員があいさつしました。
同集会は、住まいを「商品」ではなく「人権」として扱うべきだと主張する「住まいは人権デー」の取り組みとして開催されました。この取り組みは、国連「人間居住会議」(ハビタット)が1996年6月に「適切な住居に住む権利を、完全かつ前進的に実現することを改めて宣言」し、日本政府もこれに賛成したことを受け、毎年6月に行われています。
冒頭、国民の住まいを守る全国連絡会の坂庭国晴代表幹事が基調報告を行い、住まいの貧困の実態を明らかにし、新たな住宅セーフティネット制度の抜本的な改善や、家賃補助制度の確立など、具体的な打開策を広げていくことの緊急性を訴えました。
衆院国土交通委員の森山議員は、「日本ではこれまで持ち家政策を重視してきたが、空き家が1000万戸を超えると言われる中、賃貸重視へと転換し、賃貸住宅への支援制度の創設も行うべき」「ドイツなど欧州諸国では、寒すぎる住宅は虐待だと言われている。暖房の有無などによる部屋間の温度差は、脳卒中にもつながる。断熱などの対策の義務化も提案していきたい」と発言しました。
衆院厚生労働委員の尾辻かな子議員は、「阪神淡路大震災では、単身の高齢女性が一番被害を受けた。年金額が低く、耐震性が足りない住宅に住む人が多かったからだ。揺れは同じでも、持てる者と持たざる者の間で被害の格差は大きい。住宅手当については、厚労委員会でも調整中。これからも皆さんと力を合わせていきたい」と述べました。