立憲民主党は2日、経済政策調査会の第1回総会を開催。首都大学東京・人文社会研究科教授の阿部彩氏を講師に迎え、「日本の貧困 30年間の動向と今後の課題」と題する話を聞きました。(写真上は、話をする阿部彩氏)

 同調査会は、社会保障や所得不安、教育、ジェンダー平等など、一般市民が抱える課題解決に投資し、個人の不安解消と消費拡大を経済成長の原動力とする「ボトムアップ型」経済政策を立案するために設置したもの。今後有識者等からのヒアリングと並行して役員会を開き、参院選挙を見据え「立憲ビジョン2019」に組み込めるよう、政策をまとめていく予定です。

 冒頭あいさつに立った逢坂誠二政務調査会長は、「高度経済成長の頃はお金がどんどん儲かることが、イコール国民の幸せにつながっていったが、平成になってからは必ずしもお金がどんどん儲かることが幸せにつながっていない。経済政策が難しい局面に入り、資本主義そのものが大きな壁に当たっているのではないか」と指摘。「国民の幸せ、命を守るのが政治の役割であり、国民にとって幸せな経済とは何なのかを考えていきたい」と積極的な議論を呼びかけました。

 講演のなかで阿部氏は、貧困の推移と変容、子どもの貧困率の動向について分析した上で、日本の貧困をめぐる課題として、(1)ライフラインの保障がなされていないこと(2)高齢期の女性の貧困(3)成人した未婚子と高齢者の世帯タイプの懸念(4)子どもの貧困対策の再考――等を指摘。再分配機能の強化の必要性を強調しました。