枝野幸男代表は14日、訪問先の静岡県三島市で記者団の取材に応じ、(1)統一地方選後半戦の第一声を当地にした理由、(2)参院選について(3)衆院選で自民党系2候補のいる静岡5区について(4)安倍総理が同日、東京電力福島第一原発を訪れることについて――などについて発言しました。質疑応答の要旨は以下のとおりです。

Q:三島市で第一声を決めた理由は

 演説でも申し上げましたが、立憲民主党というと特にメディアの皆さんが旧民主・民進というくくりをされるのですが、私も含めてその経歴、負の部分も含めて、当然背負っているわけですが、政党としてはゼロから作った新しい政党です。そういった意味で無所属で我々の目指す草の根の民主主義を体現してきた方が立憲の旗に集って頑張ってくれているのがまさに立憲民主党の象徴だと思っておりまして、そうした仲間は何人もいるのですが、そうしたなかでも特に佐藤さんはそういう草の根の活動というかしっかりと行政をチェックして厳しく住民の視点から指摘をしていく活動を積み重ねてきた、まさに立憲らしい候補者だということで、やはりここだろうなと思いました。

Q:前半戦の告示前から枝野代表は静岡に入られたのは3回目だと思います。前半戦最終日には長妻さんが丸一日かけて静岡県内を回られたと思います。立憲として静岡はどのような位置づけにあるのでしょうか。

 潜在的にご期待をいただける方が多い地域だと思っていますが、いろいろな事情があって、県連の立ち上げなども遅れましたので、その分、力を入れて活動しなくてはいけないなと。こういう位置づけをしています。

Q:参院選で候補者をどうするかというのは気になるところですが、その辺については

 一貫して私は、一人区はきちんと自民党との一騎打ち構造を作ると。これは心配をいただいておりますが、私は順調に進んでいると認識しています。複数区については、基本的には各政党が切磋琢磨することで潜在的な非自民票の掘り起こしをはかっていくことが、より大きな効果をもたらすと考えております。広島だけは自民党が2議席独占する可能性が出てきましたので、これはまたいろいろ考えなければいけなと考えていますが、静岡はそういう状況ではありませんので、各野党がそれぞれの主張をして、それぞれの支持層を広げていくことが重要だと思います。静岡に限らず複数区は全部出すという原則は変えていません。

Q:いつまでにというのはあるでしょうか

 それは公示前日までですね。

Q:衆院選挙区について、こちらの地元ですと、これまで野党候補で長く務めていた細野豪志さんが自民党の二階派入りを表明されております。いつあるか分からない衆院選ですが、立憲民主党としてこの選挙区における考え方はいかがでしょうか

 前回、当面の方針を出したときに若干誤解をされているようですが、衆院の小選挙区も一人区ですから、全国的に、これは参院ほど完璧にはできないと思いますが、自民党との一騎打ち構造を作っていくことが望ましいと思っている、これがまず一般論としてあります。その上で、この選挙区はいわゆる自民党と戦う候補者が空白ということですから、立憲民主党は野党第一党の責任として、自民党系の2人の候補に勝てるような候補者を擁立したいと思っています。一方でここは国民民主党の渡辺周さんの選挙区であった時代も長かったところですので、その渡辺周さんとも事実上いろいろなご相談をしていかなければならないとは思っています。

Q:今日午後、安倍総理が東京電力福島第一原子力発電所を視察します。その一方で国会では与党側の対応によって野党が出している原発ゼロ基本法案がまったく審議されていない状況にあると思います。こういった現状をどう考えますか

 視察に行かれることは、現地は私も何度も行っていますが、行くたびに状況が変わっていますので、それ自体は結構なことだと思うのですが、その原発事故の反省と教訓を踏まえるのであるならば、少なくとも原発ゼロ基本法案を議論する、少なくとも議論することに積極的であるのが当然のことだと思っています。そちらのほうは棚晒し(たなざらし)にしておきながら、いくら何をやってもパフォーマンスとしか言いようがないということです。

Q:先程の質問に関連して、静岡5区は渡辺周さんとも相談して、今、人選を進めているという理解でいいでしょうか

 別にこの選挙区に限らず、衆院の場合は常在戦場ですから前回の衆議院選挙が終わったときから日本中の空白区についてはいろいろとやっている、その中の1つです。

Q:参院選もあと3か月と迫っていますが、まだ具体的な名前が出ていないのですが、ほぼ決まっているのでしょうか

 立てようと思えばいつでも立てられるのですが、それはいろいろな状況を見極めながら、立てるだけでは意味がないので、2番以内に入る、できれば非自民で2議席を取ることに向けてどういう対応をしていくのが一番いいのかを政治状況を見極めながら進めています。