衆院本会議で11日、「電気通信事業法の一部を改正する法律案」ならびに「電波法の一部を改正する法律案」の趣旨説明質疑が行われ、立憲民主党・無所属フォーラムを代表して岡島一正議員が質問に立ちました。
電波法改正案は、電波の有効利用を促進するため、電波利用料の料額の改定等を行うとともに、特定基地局の開設計画の認定にかかる制度の整備を行うほか、実験等無線局の開設及び運用にかかる特例の整備等の措置を講ずるもの。電気通信事業法改正案は、モバイル市場の競争の促進及び電気通信市場の環境の変化に対応した利用者利益の保護を図るために必要な措置を講ずるもの。
岡島議員は、電気通信事業においては、事業者間の公正な競争を促すことによって、サービス向上、料金の低廉化を図ってきた結果として、料金が妥当な水準に導かれていくものだと指摘し、沖縄県知事選挙で菅長官が約束した「携帯電話料金4割引下法案」なのかと総務大臣へ見解を求めました。携帯電話料金は、電気通信事業者、民間の経営判断によって決められるべきであり、国民の人気取りの為に政府が料金引き下げを強要することは許されないと強調しました。
また、今回の電気通信事業法改正案では通信料金と端末代金を完全に分離し「行き過ぎた囲い込み」等を禁止することによって、端末が売れなくなる「端末不況」を懸念する声を取り上げ、総務省が推進する5G端末の普及に支障をきたすのではないかと見解を求めました。
岡島議員は、電波法改正案では、原則3年に一度見直しにもかかわらず、2年で改定し利用料を値上げする理由について大臣の見解を求めました。また、電波利用料は不法電波の監視等、電波が適正に利用できるよう、電波利用事業者から公平に費用分担するいわゆる「電波利用の共益費用」であり、余剰金が発生し、その余剰金を一般会計へ繰り込まれていると指摘。電波利用料を値上げする前に、まずはこの余剰金について電波の共益費として使用できるようにすべきと、大臣の見解を求めました。
岡島議員は、国民生活に不可欠となった携帯電話サービスに関して、より公正で公平な競争環境を構築し高度なサービスを提供するために必要な改正であれば反対はしないとしつつ、民間の判断により通信料金や販売方法を決めるはずが、政府が必要以上に口出しをし、値下げを強要するのであれば「行き過ぎた政府の介入」だと指摘。改正項目の精査と充実した審議を求めました。