安倍総理ら全閣僚出席の参院決算委員会が4日開かれ、2017年度決算等についての全般質疑が行われました。参院会派「立憲民主党・民友会・希望の会」の小川敏夫議員が質問に立ち、(1)アベノミクスによる国民生活の悪化(2)森友問題(3)下関北九州道路の予算付け――等について政府の見解をただしました。
小川議員は、「実質賃金指数(現物給付総額)の推移」「世帯主の勤め先収入の実質指数(2人以上の世帯のうち勤労者世帯)」「企業の内部留保の推移」のグラフを示し、アベノミクスが始まってから勤労者の平均賃金は下がる一方、企業の内部留保は上がっていると指摘。加えて、消費者物価指数は上がるなか基礎年金額(月額)も生活扶助基準額(月額)も下がっているとして、「国民を苦しめているのがアベノミクスではないか」と断じました。
下関北九州道路の予算付けをめぐっては、塚田氏が1日に北九州市で開かれた集会で、山口県下関市と北九州市を結ぶ道路の事業化について、「首相や麻生太郎副総理が言えないので私が忖度した」と発言。安倍総理の地元の下関市と、麻生副総理の地元の福岡県を結ぶ道路整備で便宜を図った疑いがあると野党は問題視してますが、塚田氏は「事実でなかった」とその後発言を撤回、謝罪しました。
小川議員がこの道路事業への関与を尋ねると、安倍総理は「首相として要望をすることはない。地元の陳情などは聞いたことはある」と答弁。「関門トンネルは相当古く、工事をしていて片側2車線、閉鎖になっているときが非常に多い。問題意識はずっと持っていた」と述べました。
塚田国交副大臣の責任については「発言は問題だが、本人からしっかり説明し、このことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたい」と述べ、罷免を否定しました。塚田国交副大臣は「説明責任を果たすことによって職責をまっとうしていきたい」と辞任を否定。小川議員は「国民の気持ちを理解して責任ある対応していただきたい」と求めました。