立憲民主党は7日、第41回政調審議会を国会内で開催。「統計行政への信頼回復に向けた緊急提言(案)」を了承、今後法案化に向けて検討をすることとしました。
今回の緊急提言案は、今回の一連の統計不正問題により、わが国そのものへの国際社会からの信頼が根底から揺らぎかねない事態に陥っていることから、この状況を抜本的に改善し、統計行政への信頼を回復し、効果的な再発防止策を講じるために取りまとめたもの。(1)それぞれの行政機関に統計の機能を分散させる「分散型」から、統計を一元的に一つの機関に集中させる「集中型」へ(2)各省庁に分散して行ってきた統計行政を一元化するために「国家統計データ局(仮称)を新設(3)統計への信頼回復のための組織と体制強化(4)統計のあり方と調査手法の見直し(5)統計法の罰則強化――の5つを柱とし、新しい時代の統計調査のあり方について具体的な案も盛り込んでいます。
会議の冒頭あいさつに立った逢坂誠二政務調査会長は、3日に愛媛県四国中央市で開いた、参院選挙政策「立憲ビジョン2019」の策定に向けたタウンミーティングに触れ、「多くの方にお集りいただき濃密な議論をすることができた。多くの皆さんの声を聴いて政策を作っていく重要さ、そこに参加される皆さんが、参加をすればするほど政治の世界を理解してもらえるという重要さをあらためてかみしめた」と意義を強調。「さまざまなプロセスを通してわれわれの思いを伝え、また多くの皆さんの声を集めていきたい」と述べました。
また、6日の参院予算委員会での横畠法制局長官の発言に対し、「とんでもない発言。歴代の法制局長官はあのような政治的な評価、意味合いの発言をしたことはないのではないか。法制局長官は、与党でも野党の立場でもない独立した立場で法律や憲法の解釈をする。そういう前提があるから与党も野党も安心して国会で審議ができる。ところが、法制局が与党寄りの解釈をしているのではないかと疑い始めたら国会の審議は成り立たない」と指摘。安倍総理が2013年、集団的自衛権の行使容認に向け、解釈見直し派の人物を長官に任命した際に「恣意性があるのではないか」「内閣の都合のいい解釈をするのではないか」という懸念を表明したことを振り返り、「あのときから法制局の信頼が失われていたのではないか。そして今回その地金がついに出たのではないか。横畠長官は辞任に値する。桁はずれのひどさを共有し、しっかりと対応していきたい」と語気を強めました。
不正調査が続いた厚生労働省の毎月勤労統計をめぐっては、特別監察委員会(委員長=樋口美雄・労働政策研究・研修機構理事長)がまとめた追加報告書がぼろぼろだとして、「(参院予算委員会では)樋口さんへの質問のたびに答えられずに時計(審議)が止まっている。誰があの調査をしたのか。独立性のある機関が行ったというのは嘘っぱちだ」と指弾。独立した機関のもとであらためて調査報告書が出されない限り統計問題の闇は解消されないと訴えました。
会議ではそのほか、内閣提出法案の審査とともに超党派議員立法「自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するための調査研究及びその結果の活用等の推進に関する法律案」について「賛成」、立憲民主党議員立法「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法改正法案」の法案登録を了承しました。