国鉄労働組合は5日、公共交通政策に関する要請行動を各政党・国会議員に行いました。立憲民主党への政策要望には、団体交流委員長の佐々木隆博副代表と国土交通部会長の矢上雅義衆院議員が参加し、同部会の野田国義副部会長と森山浩行事務局長の秘書も同席しました。

 国鉄労働組合の菊池忠志中央執行委員長は要望事項として、(1)経営安定基金の運用益利益保証がなくなったJR北海道・四国への持続可能な恒久的支援策の実施、(2)JR九州の被災線区の復旧支援と地方交通線維持にむけた支援、(3)モーダルシフト促進にむけたJR貨物への支援拡大と並行在来線の維持確保、(4)災害復旧制度の適用要件見直しと補助率拡充と対象拡大、(5)老朽鉄道構造物等の大規模修繕に対する税制支援、(6)路線廃止手続きに関する鉄道事業法の見直しと住民合意の条件化、(7)のぞみ台車亀裂事故など重大インシデントへの対応と検査体制充実、(8)ホームドア促進と財政支援措置の拡充、(9)大都市旅客輸送への財政措置・補助制度の拡充とオリンピック時の混雑緩和対策への指導――を挙げました。

 佐々木団体交流委員長は北海道での支線廃線の経験や被災線区の復旧状況を踏まえて、災害対策での財政支援の重要性に理解を示すとともに、地方線対策については、JR会社と市町村だけの協議に任せるのでなく、幅広く関係者や国交省を巻き込んだ協議機関の運営が必要だと述べました。矢上部会長は、鉄道軌道法や鉄道事業法の改正を含め、どういう対応が必要か部会で検討していきたいと応えました。