枝野幸男代表は27日青森県を訪れ、26日の党常任幹事会で今夏の参院選挙青森県選挙区の公認候補として擁立を決定した、小田切達(おだぎり さとる)氏の記者会見に同席しました(写真上、左から枝野代表、小田切公認候補予定者、山内崇青森県連合代表)。
枝野代表は、小田切氏について「弁護士としていまの立憲主義や法治主義を蔑ろにする政治状況に対する危機感、そして実務を通じて格差や貧困、人権が蔑ろにされている状況を長く見てられた方。青森県では弁護士会の会長も務められた実績のある方。いい候補者に出馬を決意してもらったと思っている」と紹介。「すでに青森県内では、他の野党の一部や連合の皆さんにも立憲民主党の小田切さんを自民党との一騎打ち構造を作っていただける方向に向けて一歩は進んでいるとは承知している。青森県選挙区では、3年前の参院選挙でも自民党との一騎打ち構造で(野党候補が)1議席を確保した。他の野党の皆さんにもご理解ご協力をさらにお願いをしていかなければならないが、一騎打ちの構造を作れれば十分に勝算のある選挙区だと思っている。党本部としても、重点選挙区として小田切さんの当選に向けて頑張っていきたい。青森県でしっかりと議席を確保することがまっとうな政治を取り戻す大きな一歩になる」と述べました。
小田切氏は、今回立候補を決意した理由について「1つは法律家としての危機感。6年間の安倍政権のもとで人権や平和主義、地方自治といった憲法秩序が大きく切り崩されている。もともと憲法が想定している社会というのは、平和の環境のなかで国民一人ひとりが自由に自分を実現できる社会だと思う。ところが、このままでは次の世代にそういう社会を引き継ぐことができない。今ここで安倍政権にストップをかけ、憲法が想定している社会を次の世代に引き継ぐのが法律家としての責務ではないかと考えた」「もう1つは、弁護士として活動していくなかで、今の日本の社会の格差が深刻化しつつあると実感してきたこと。私は満61歳だが、私やその上の世代はたとえ生活が苦しい家庭に生まれても努力をすればそこからいつか抜け出せる、努力は必ず報われると信じて生きてこられた世代だと思っている。ところが今の社会は、いくら努力しても苦しい生活、状況から、不安定な環境から抜け出せないのではないかと感じている人が多くなっていると思う。そういう不公正・不公平な社会を次の世代に引き継ぐわけにはいかない。不公正・不公平な社会を正す。そのために取り組んでいきたいと考えた」と表明。「こうした問題意識を共有していただける方々と広く手をつないで前進していきたい」と力を込めました。
小田切氏は質疑応答で掲げる政策について問われると、あらためて「憲法が崩されている状況にストップをかけること」「深刻化している格差の是正、格差のない社会を取り戻すこと」の2点を挙げた上で、「あえて加えるとしたら、結果においてもプロセスにおいても正しい政治。嘘をつかない、ごまかさない、隠さない、そういう正しいまっとうな政治を実現していきたい」と述べました。
枝野代表は、1人区で自民党との一騎打ち構造を作る意義について尋ねられ、「今の安倍政権の暴走に歯止めをかけなければいけないと考える政党の責務だと思っている。政治の選択はベストを求めながらワーストを避けることが求められる。各党がベストを目指していろいろな主義主張をぶつけ合うのが選挙だが、一方でそれだけをやっていると結果的にワーストの選択になる可能性がある。実際にそれを避けるためにフランスなどでは1人区の選挙では決選投票制度が取られているところがある。日本は制度として採られていない以上、特に今安倍政権が暴走していることにかなりの国民の皆さんが危機感を持っていらっしゃるなかで、そのワーストを避けるために各政党の主義主張を乗り越えて、よりましな選択ができる構造を作る。そのための(候補者の)一本化は大変重要な意義がある」と強調。「今の点は5党1会派(立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会保障を立て直す国民会議、自由党、社会民主党)で共有できていると思っている。それぞれの立場、事情があるので丁寧なプロセスが必要だが、実際の選挙までには32の1人区で一騎打ちの構造が作れると思っている。青森では経歴的にも、いまの政治状況に対する危機感についても5党1会派の皆さんにご賛同していただける軸だと思っている。丁寧なプロセスを踏みながらご理解いただきたいと思っている」と述べました。