枝野代表は会見の冒頭、昨夜の熊本県での地震に触れ、「揺れの大きかった地域の皆さんはご心配のことと思います。この場を借りてお見舞いを申し上げる」と語りました。また「新しい年を避難所、仮設住宅等でお過ごしの方がたくさんおられます。昨年自然災害が相次ぎました。まだ不自由な生活の中で新しい年を迎えられた皆さんに、改めてお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い日常の生活が回復できるように、立憲民主党としても全力を挙げて復旧復興に向けた後押しをしてまいりたい」と話しました。
さらに平成が終わり新しい時代を迎えるにあたり、日本の進んでいくべき道、新しい社会のあり方として(1)多様性を認め合う社会(2)一人ひとりが安心して安定的な暮らしを営めるよう社会の構造を政治と行政が作り上げることが必要だと語りました。こうした社会の姿をより高く明確にかかげ、今年春に行われる統一地方選挙では、ボトムアップの政治をつくる草の根の仲間を増やしていく「ボトムアップの春」を、さらに夏に行われる参院選挙では、立憲主義をもう一度しっかりと鍛え直す「立憲の夏」を実現していくべく、新しく加わった仲間も含めて全力で取り組んでいくと決意を述べました。
記者から、参院選で安倍政権をどういう状態に追い込みたいかと問われると、枝野代表は「永田町の周辺の皆さんは常にどこかの党とどこかの党の対立・対決みたいな話で選挙を捉えるのですが、私はそういう理解をしていません。もちろん各選挙区においては自民党と一騎打ちでどっちが勝つか負けるかということになるし、複数区においてもそういう形になり結果はそういう形で出ますが、私どもが目指すのは立憲民主党の目指す社会像、我々が大事にしている価値、そのことをしっかりと国民にお伝えし、いかに国民にそれを理解していただくのか、こういう視点で選挙を戦っていかなければならないし、戦っていこうと思っています」と答えました。
また、かねてから自身を保守本流と表現している枝野代表に対し、自身が考える保守本流について、また今あえてそれを主張している理由について問われると、「2つの意味でそもそも保守というのは、これまで積み重ねられた歴史や伝統を大事にしながら、それを一気に何か一つの考えで一気に変えてしまおうというやり方はだめだと。これまで積み重ねられたものを大事にしながら、一歩ずつ世の中をよくしていこうという考え方である。例えば憲法というのも、長年先人たちが積み重ねてきた権力を縛るための最低限のものをルール化したもの。それに基づいて権力を行使するという立憲主義もまさにこうした保守主義に立った考え方。こういう保守主義の本来の定義から考えた時に、今の安倍総理こそがむしろ革命的なことをやろうとしていて、これまで積み重ねられた大事な価値を一気に壊してしまっている。それとの対比を私は一つ申し上げています。もう一つは、日本で保守を名乗る方の多くが日本の歴史を150年しかないと勘違いしている。明治維新以降、あるいは明治維新の直前くらいからの150年あまりの歴史だけを見て、日本の歴史と伝統だと仰っている。少なくとも文字に残されている歴史だけでも日本には1500年ある。そういう歴史を考えた時に、例えば私ども大事にしている多様性、あるいはお互いさまに支え合うという助け合いの精神、こうした一種リベラルな考え方こそが日本の歴史と伝統である、1500年の歴史を俯瞰すれば、それが常識的な判断だと。この2つの意味で私こそが保守本流だと思っています」と語りました。
会見に先立って行われた神宮参拝には枝野代表の他、福山哲郎幹事長、蓮舫副代表、阿久津幸彦、手塚仁雄、横光克彦各衆院議員、相原久美子、石橋通宏、斎藤嘉隆、芝博一、白眞勲、宮沢由佳各参院議員、松田直久前衆院議員、県内の自治体議員が参列しました。