衆院本会議で29日、「漁業法等の一部を改正する等の法律案」の採決が行われ、自民、公明、維新などの賛成多数で可決、参院に送られました。採決に先立ち会派を代表して亀井亜紀子議員が反対討論に立ちました。また、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定案(日欧EPA=経済連携協定)および日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定案の採決が行われ賛成多数で可決、参院に送られました。採決に先立ち会派を代表して石川香織議員が討論に立ちました(写真上は、討論に立つ亀井議員)。

 漁業法改正案の討論に立った亀井議員は、反対の理由として(1)質疑時間が十分に確保されず、採決ありきで進められた与党の強引な国会運営(2)漁業者の理解が不十分(3)70年かけて達成された漁業の民主化に逆行する(4)TAC(漁獲可能量)とIQ(個別割当)を用いる資源管理の導入が日本の沿岸漁業を衰退させる恐れがある――ことを挙げました。

 日欧EPAの討論で石川議員は、日欧EPAにより農林水産分野で最大1,100億円もの生産額が減少すると見込まれており、その中で大幅に自由化する牛乳・乳製品では最大203億円生産額が減少するとの試算を挙げ、そのうちの9割を北海道が占めると説明しました。こうした農林水産業への打撃が相当大きいものであるにも関わらず、見通しの甘い試算をし、影響額を小さく見せようとする政府の姿勢は誠実とはいえず、当然納得できるものではないと指摘しました。

日欧EPAの討論に立つ石川議員