28日夕、一般社団法人全国フードバンク推進協議会主催で、「食品ロスの削減の推進に関する法律案」緊急院内集会が開催され、まだ食べることができる食品が廃棄されないようにするための社会的な取り組みを規定する法律の制定が要請されました。

 日本の食品産業では、年間1,953万トンの食品廃棄物が排出されています。そのうち、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されている食べ物の量は、食品関連事業者から約339万トン、一般家庭から約282万トン、計年間約621万トンで、国連世界食糧計画(WFP)による世界全体の食糧援助量320万トンの約2倍に上ります。

 一方で、貧困世帯で暮らしている子どもの数は280万人、約7人に1人となっており、フードバンク団体は、子どもや保護者への食糧支援を通じて貧困対策を行っています。

 同会議では、実際にフードバンク団体から食糧支援を受けていた青年が登壇し、窮状とフードバンク活動の効力を証言しました。

 さらに、基本的施策として、以下のような項目が提案されました。

(1)消費者、事業者に対する教育・学習の振興、知識の普及・啓発など
(2)食品関連事業者などの取り組みに対する支援
(3)食品ロスの削減に関し顕著な功績があるものに対する表彰
(4)食品ロスの実態調査、食品ロスの効果的な削減方法などに関する調査研究
(5)食品ロスの削減についての先進的な取り組みなどの情報の収集・提供
(6)フードバンク活動の支援、フードバンク活動のための食品の提供などに伴って生ずる責任の在り方に関する調査・検討

 立憲民主党からは、環境委員および消費者部会事務局長を務める山本和嘉子衆院議員があいさつに立ち、「食品ロス削減と貧困対策は喫緊の課題で、国を挙げての取り組みが必要。全国フードバンク推進協議会の皆さまとともに頑張りたい」と言葉を強めました。