「児童虐待のない社会の実現」をテーマに連合フォーラム政策勉強会が28日夕開催され、立憲民主党からは落合貴之、近藤昭一、櫻井周、長尾秀樹、西村智奈美、吉田統彦各衆院議員が出席しました。

 連合本部の南部美智代副事務局長は、今月の児童虐待防止月間にあわせて全国でさまざまな取り組みを行い、特に児童相談所全国共通ダイヤル「189(いちはやく)番」の普及に努めてきたことを紹介しました。

 続いて、駿河台大学学長・NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事長の吉田恒雄氏が「児童虐待対策のあり方についてー抜本的発生予防対策の必要ー」と題して講演しました。

 2003年から2016年の統計によると、虐待による死亡児童数は心中を含めて1,080人、1週間に約1.5人に上ります。また、17年度中に全国210カ所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は133,778件で、過去最多となっています。

 加害の動機としては、保護者のネグレクト、しつけの名による暴行のほかに、保護者自身の精神疾患や精神不安、育児不安などが多くを占めます。

 吉田氏は、児童虐待の抜本的な発生予防対策として、(1)体罰防止の法定化(2)メンタル面に課題をもつ親とその子どもへの在宅支援の充実(3)貧困対策の必要性ーーを強調しました。

 さらに、NPO法人子育てひろば全国連絡協議会の奥山千鶴子氏が、「孤立させない子育てを目指してー地域子育て支援拠点の役割」と題して講演しました。

 子育てひろばとは、妊娠、出産、乳幼児期の子育て家庭が気兼ねなく集まり交流できる場や、乳幼時期の子どもたちが安心してのびのびと遊べる場など。NPO法人子育てひろば全国連絡協議会は、「子育てひろば」の運営に取り組んでいる団体・個人のネットワークで、情報の共有、調査研究、研修などを通じて地域子育て支援の質の向上を目指しています。

 子育て中の親の不安を取り除くには、(1)安心できる他者とのかかわりがあること(2)ここぞというときに自分の語りたいことをしっかり聞いてもらえる機会があること(3)自分の考えや感情を尊重してもらえることーー等の重要性を語りました。