立憲民主、国民民主、無所属の会、共産、自由、社民、沖縄の風の7党・会派の国会対策委員長らは31日、岩屋防衛大臣と石田総務大臣へ辺野古新基地建設問題に関する申し入れをそれぞれ行いました(写真上は、岩屋防衛大臣(左から2番目)に申し入れる辻元国対委員長ら)。
防衛省で岩屋防衛大臣に申し入れを行った後、辻元清美国対委員長らは記者団の取材に応じました。
石井国交大臣が沖縄県の埋め立て承認撤回の執行停止を決めたが、直ちに工事再開が許されない理由として照屋国対委員長(社民)は、「仲井眞元知事が公有水面埋立承認に附した留意事項というのがある。その留意事項には、実施設計ならびに環境保全趣旨等については事前に協議をつくす、こう書いてある」と説明。「沖縄県との十分な事前協議をやらないで、しかもこの間、沖縄防衛局は再々にわたる沖縄県の工事是正の申し立てをずっと無視してきたわけだから、私から大臣にはとにかく留意事項を遵守せよと、こういうことを強く申し上げました」と語りました。
辻元国対委員長は岩屋防衛大臣から「(協議をするべきだということに対して)十分留意し、そして最善を尽くす」との回答を得たと報告しました。
その後、国会内の立憲民主党控室で石田総務大臣に申し入れを行い、行政不服審査法を所管する大臣として、今回の国交省と防衛省の手続きに対して指摘をしました。
辻元国対委員長は申し入れ後、記者団に対して、総務大臣からこの件について防衛省と国交省が当事者であり判断する立場にはないと繰り返し話があったことを明かしました。
また同席した原口国対委員長(国民)は、当時総務大臣として行政不服審査法を改正した立場から、(1)行政不服審査法の7条の2項を改正している。いわゆる国民を守る法律であり、公のものを守るものではない。厳格に適用してほしい。総務大臣として所管の法が正しく適用されるかどうかチェックをすべき(2)地方自治の本旨にもとる。憲法95条で、国は特定地域の地方自治体の意思、県民の意思を無視して法律を作ることができないとしている。沖縄県だけに、このような不当なことを押し付けるのは、まさに憲法にも反すること。地方分権、地方自治を守る大臣として閣議や閣僚懇において、そのことを強く言うべき(3)水増しの予算を作り、県民の心も傷つけている。そういったことについても行政監視をしっかりやるべき――と指摘し、地方自治の本旨に立ち返ってほしい旨、伝えたと語りました。
さらに伊波幹事長(沖縄の風)は、「今回、沖縄防衛局が一般私人になりすましているが、こんなこと許しちゃいけない。前に取り消しの際、最高裁決定まで至ったときもやったが、あの時は取り下げられている。今回、もしこれをやるとしたら初めての事例になる。初めての事例としてはあまりにもお粗末だ。県がなぜ止めたかというと、そこの藻場を埋め立て土砂を投入しようとすることが環境保全措置違反だと明確に書いているから。本来ならある、広大な藻場を同等の場所に移植するということがちゃんと環境保全図書の中に書かれている。それをほとんどやってない。何もやらないで実際に工事をしているから、止めざるを得なかった、撤回してるときちんと書かれている。そのことを何も議論しないで政府の中でだけで(決めるのは)、環境アセスメント制度そのものが壊れている」と指摘したと語りました。
辻元国対委員長は、行政法研究者100名以上が今回の決定について行政不服審査法を乱用するものだと声明を出たことに言及。また石井国交大臣から今週は日程が取れない旨の返事があったことを明かし、引き続き面会を求め調整していると語りました。