立憲民主党は28日、常任幹事会(持ち回り)を開催し、亀石倫子(かめいし みちこ)氏を次期参院選挙・大阪選挙区の公認候補者とすることを決定しました。

 同日午後、大阪市内で枝野幸男代表が同席し記者会見を開きました。

 枝野代表は、これまでの弁護士の活動や、党の思いや考え方を共有している人物だとして「多くの有権者の皆さんにご理解いただける本当に大変いい方に決断をしていただけた」と亀石氏について評価しました。

 亀石氏は、弁護士として2014年の大阪市内クラブが風営法違反で摘発された事件や大阪府警の違法GPS捜査など、いくつかの憲法訴訟に関わってきた中で、一人ひとりの「ささやかで、かけがえのない自由」を守りたいと感じたと語り、また、マイノリティの排除や、女性であることを理由として様々な機会がうばわれていること、パワハラ・セクハラの横行、表現の自由を振りかざして言葉の暴力でねじ伏せるような行為など、生き難さや自由が奪われたり失われつつあるのは、今の政治と無関係ではないと感じ、「今、決断しなければ手遅れになるかもしれないという危機感」から決意したと語りました。

 大阪選挙区の課題や争点、激戦区の大阪をどうやって戦っていくかについて記者から問われると亀石氏は、18年前に北海道から大阪に越してきて、「自由な雰囲気や、いろいろな個性の人を受け入れてくれる懐の深さ、笑いと優しさ、そういう大阪の街も人も大好きになった。だが3年前の都構想の住民投票の頃から分断ということがあり、対立が煽られるような状況になり、そこから今に至るまで、都構想もIR誘致、万博など様々な大阪の課題について非常に対立が生まれている。私の大好きな懐の深い自由な大阪というより、どちらかというとそういう対立が目につくというか、そこに非常に残念な気持ちある」と語りました。そして「一人でも多くの方に応援をしていただけるように、とにかく頑張っていくだけで、そういう激戦だからどのように立ち向かっていくかというより、私の考えに対して共感してくださる方にいかに一人でも多く応援していただけるかを頑張りたい」と語りました。

 枝野代表は、「選挙はどうしても相手候補との関係で捉えがちだが、まずは亀石さんとして何をどう訴え、どこにどう伝えていくのか、立憲民主党としてどこにどう伝えるのかということにまず徹することだ」と語りました。

 また、自民党改憲草案について、どういった改憲議論が望ましいかを問われると亀石氏は、「自分がこれまで取り組んできた経験から憲法改正ということにもっとも関心がある」と前置きし「一つの問題は、国民の関心がそれほど高くないというところではないかなと思っていまして、9条については比較的語られているのですが、私が先ほどお話ししたような基本的人権の制約根拠として公の秩序とか公益というものが入ってくる。それから自由や権利には責任と義務が伴うということ、それから憲法尊重義務を国民が負うということ。立憲主義を根底から覆すような大きな変化ですが、そこに国民がついてこれていないというか、そういう議論がされてませんし、そのことの問題がどういうところにあるのかは、まだ浸透していないように思う。9条だけではなくて、この全体をみると自民党の憲法改正草案というものは、いろいろな問題をはらんでいるというか、憲法改正した先にある新しい国というのがどんな姿なのか、もう少し具体的に皆さんで議論していかないと、憲法改正の議論が盛り上がっていかないというか、関心が向かないといいますか、関心が持たれないままに進んでいくのが一番怖いと思っています」と語りました。

 大阪選挙区について他の野党との関係について問われると枝野代表は、大阪は定数が4であり、安倍政権の暴走にブレーキをかけるためには「自公以外で悪くても2議席、できれば3議席とらなければいけない。立憲民主党は野党第一党として、まずは自力で1議席しっかりと確保する。その中で他の今の安倍政権、あるいは自公政権に対して、おかしい、歯止めをかけなければならないと思っている政党がそれぞれ頑張り、できれば自公を1議席、大阪の場合、もう一つあるかも知れませんが、のところを含めて1議席、安倍自民党政権におかしいという勢力で3議席取れるように、それぞれが頑張っていくということだ」と語りました。