衆院本会議で14日、立憲民主党はじめ野党5党1会派が提出した山際大志郎・内閣委員長の解任決議案が議題となり、趣旨弁明を篠原豪議員、会派を代表した賛成討論を日吉雄太議員がそれぞれ行いました。
篠原議員は、財務省が森友学園に係る決裁文書を改ざんし大問題となった公文書管理、加計学園疑惑と言われる国家戦略特区、公務員制度などを所管するのが内閣委員会であり、公文書のあり方、公文書の信憑性について、また国会に対する虚偽答弁をきっかけに始まった公文書改ざんについて、立法府の威信を守るため先頭に立ち、虚偽答弁の理由、政治的背景を解明すべき立場にあるにもかかわらず、全くその責任を果たそうしなかったと指摘しました。
さらに、今国会、内閣委員会では、国民的な関心が高い重要法案が次々と審議に付されましたが、その審議は一方的なもので野党の審議への参加はほとんど考慮されることがなく、政府・与党の都合だけで進められたとして、「内閣委員長の職権乱用なくして、こうした一方的な審議は不可能」と断じました。
日吉議員は、(1)子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案において自民・公明・維新だけで、審議・採決を強行(2)環太平洋連携協定関連法(TPP11)では、委員長職権により委員会質疑をわずか3日間10数時間の短時間で終わらせ、採決を強行する暴挙(3)カジノを含むIR整備法案でも、国民の約7割近くが法案に反対を唱えているにもかかわらず、十分な議論も行わず、成立にこだわる――等を挙げ「山際委員長のこれまでの委員会運営とは程遠いものがある」と述べました。
さらに財務省決裁文書改ざん問題について「公文書管理を所管する委員長として、政府に対し、徹底した真相究明を行い、再発防止に向けた根本的な対策を講じることを強く要望いたします」と3月28日の内閣委員会における山際委員長の開会のあいさつを引用し、「委員会での委員長の発言は非常に重いものがあると考えています。この時の委員長は、いったいどこに行ってしまったのか」と指摘しました。
「正確なデータのもとに、議論を交わすのが、議会制民主主義の姿です。しかし、現在の内閣委員会は、その運営ができていないと判断せざるを得ません。このことを一番に危惧し、改善するのが山際委員長の役目であると思われますが、審議を打ち切り、国民世論を無視し、強行に推し進めていくことは、委員長の任にあらずと言えます」と述べ、締めくくりました。
解任決議案は与党などの反対多数で否決されました。