参院本会議で13日、米国を除くTPP参加11カ国による「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(TPP11)の採決が行われ、与党などの賛成多数で承認されました。採決に先立ち、会派を代表して牧山ひろえ議員が反対の立場から討論を行いました。

 牧山議員は、本協定をめぐる政府・与党の国会審議の進め方について、「参院に5月18日に送付されて以後、本会議で趣旨説明・質疑が行われたのは6月1日、外交防衛委員会での実質審議はわずか5時間余りに過ぎない。農産品関税の撤廃や大幅引き下げにとどまらず、投資、政府調達、知的財産などで多くのルールを設定し、わが国の経済や社会に多大な影響を及ぼすものであるにもかかわらず、疑問点を解明するに足りる審議時間が確保されたとは到底言えない」と指摘。条約の審議に関する憲法上の規定があるなか、こうした日程で審議を求めてきた政府・与党の責任は重いと批判しました。

 その上で、本協定の反対理由として(1)2016年の国会でTPPを審議した際の政府の主張と一貫性がなく、わが国の経済外交戦略性の欠如を示す方針の大きな揺れに危惧を抱かざるを得ない(2)本協定の交渉過程をめぐる情報の開示に対する政府の姿勢は不誠実であり、国会や国民が協定の是非を判断するために必要な情報を開示する責任を果たしていない(3)TPP12で合意された個別のセーフガードや関税割当が、本協定第6条で規定されている見直しの対象になるとは限らず、今後わが国の主張に沿った修正が行われる保証はない。また修正が行われるまでの間に輸入が急増し、わが国の生産者が著しい悪影響を受けたときに政府はどのように責任を取るのか、懸念や疑念が全く払しょくされていない――等を列挙。「拙速な今回の協定締結については、国民の十分な理解を得るには到底至っていない」と反対の意を表明し、討論を締めくくりました。

 【参院本会議】2018年6月13日牧山ひろえ議員討論原稿(TPP11協定).pdf