枝野幸男代表は30日、安倍総理と野党の党首による党首討論(国家基本政策委員会合同審査会)に出席。森友・加計学園問題などを踏まえた安倍政権の政治姿勢等をめぐり論戦に臨みましたが、安倍総理は終始答弁をはぐらかし、議論はかみ合いませんでした。

 党首討論の開催は、2016年12月以来、約1年半ぶりとなります。

 枝野代表は、国有地を格安で買い取った学校法人「森友学園」が設立する私立小学校の認可や国有地払い下げに関し、昨年2月17日の衆院予算委員会で安倍総理が「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきり申し上げておきたい」と答弁したことに言及。ところが、28日の予算委員会の審議では「金品の授受など贈収賄罪に当たらないから問題ない」という趣旨の発言があったとして、「贈収賄罪に該当する場合に総理や国会議員を辞めるのは当たり前の話。1年以上にわたって限定なく、関係していたら辞めると言ったことを前提に議論してきたにもかかわらず、昭恵夫人が一定の関係をしていたことをうかがわせるような材料が出てきたら、金品や贈収賄のような限定を付したとすれば、一般にはそれは『卑怯な行為』だという。まさか一国のリーダーが国会で堂々と卑怯なふるまいをすることはない。そんなことがあったとしたら、社会の倫理観を麻痺させ、国益を損なう」と指摘し、総理の見解をただしました。

 安倍総理は、過去に同趣旨の答弁もしているとして、「急に新しい定義を定めたわけではない」と強弁。枝野代表は、金品の授受の有無はこの問題の本質ではなく、今回財務省の文書で明らかになったように、閣議決定で「私人」とされた安倍昭恵総理夫人が、夫人付き秘書で公務員の谷査恵子氏を通じて、財務省に「優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、問い合わせた」という働きかけの事実こそが問題だとして、総理の認識を尋ねました。

 これに対し安倍総理は、「確かに、私の個人の事務所に回していただければ、制度的な問い合わせについてはお答えさせていただいた。その方がよかったかもしれない」と認めざるを得ませんでした。

昭恵夫人が公務員に対して働きかけをしていたという、書証内容を否定するのであれば、昭恵夫人に国会に話してもらう必要があると主張。「私人である総理夫人がこうした影響力を行使したこと、総理夫人がこの問題に関与し、優遇を受けられることを希望しているのではないかを財務省が知りうる状況にあるなかで異例の値引きが行われたこと。そこに影響を与えていなかったという立証責任はそちらにある」と断じました。