参院本会議で16日、森林経営管理法案の趣旨説明・質疑が行われ、会派を代表して川田龍平議員が質問に立ちました。
本法案は、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため、(1)市町村を介し林業経営の意欲の低い小規模零細な森林所有者の経営を、意欲と能力のある林業経営者につなぐことで林業経営の集積・集約化を図る(2)経済的に成り立たない森林については、市町村が自ら経営管理を行う仕組みを構築する必要があるとの趣旨から、新たな経営管理の仕組みを講ずるものです。
川田議員は、(1)森林所有者の経営意欲(2)林政において国民や現場の声に耳を傾けるべきこと(3)林政における根本的な考え方(4)バイオマス利用(5)川下の需要拡大策――等について質問しました。
質問の中で川田議員は、農水省が衆院審議の中で、経営意欲がありながら、当面は経営規模を維持と考えている経営者について、「経営意欲が低く、適切な管理責務が果たせない。だから市町村に管理を委ねる法案が必要なのだ」と説明していることに「本当にそうなのか」と疑問を呈し、「現場の実態を無視しており、さらに所有者が行政に管理を移行する事を拒否しても、一定の手続きを踏めば同意したとみなす制度まで盛り込んでいる」と語りました。
また、林政審議会で「新たな森林管理システム」について議論されたのは1時間半で、パブリックコメントすら実施していないことを挙げ、「森林環境税という新たな税の創設に関わる重要な法案にもかかわらず、納税者である国民の理解を得る努力を怠っている」と指摘しました。
さらに、「長期で森林の未来を考えている所有者が現場にはたくさんいる」「林業とは目先の利益だけでなく、それだけ長期スパンで守り育ててゆく産業だという事実を、私たちはもう一度思い出す必要がある」と説明しました。