辻元清美国会対策委員長は16日、野党6党(立憲民主、民進、希望、共産、自由、社民)の国会対策委員長会談後に国会内で記者団の取材に応じました。

 前川喜平・前事務次官が名古屋市の公立中学校の授業に呼ばれ、行った講演について、文部科学省は先月、市の教育委員会に対し、その内容や講師に選んだ経緯など、15項目にわたって回答を求め、録音データの提供も求めていたことが15日、明らかになりました。この件について辻元国対委員長は、「学校教育への政治の介入に当たるのではないか」と問題視。林文科大臣が同日の記者会見で、今回の件に限らず問題があると判断すれば他にも同じような例があったような趣旨の発言をしていたとして、「どういう基準で教育現場のさまざまな授業について調査をしてきたのか。今までにもあったならば事例をしっかりと示してもらいたい」と述べました。野党6党はこうした問題意識で一致、同日午後この問題に関するヒアリングを合同で開催し、文科省から事実関係を確認するとしました。

 辻元国対委員長は今回の問題では特に、前川・前事務次官が加計学園問題をめぐり政府が当初「怪文書」だとしていたものを「本物」だと認めた人物であることから、「1回政府の意向に背くと、本人が知らないあいだに発言内容までチェックをされるという側面もあるのではないか」と指摘。森友学園への土地取引の決裁文書の改ざん問題をめぐり、真実を述べる官僚がどれだけ出てくるかどうかを国民が注視しているなかでの出来事であり、非常に問題だと述べました。

 また、今回の財務省の決裁文書改ざん問題を受け、今後各委員会で全省庁に対して役所が出す資料や文書に書き換えなどがないかについて調査を求めていく考えを表明しました。

 さらに、約8億円の値引きの根拠にもなった地中ごみを試掘した業者が、実際より深くにあると見せかけた虚偽の報告書を作成したと証言する一部報道にも言及。この「ごみ」は、野党が昨年から追及してきた論点の1つであり、「約8億円の値引きが正当であったのか、さらに根拠が揺らいだ。当時の理財局長の迫田(英典)さんにしっかりと問いたださないと分からず、証人喚問を求めていくことになるのではないか」と述べました。