参院予算委員会で2日、1日に続き安倍総理と全閣僚が出席し2018年度予算案の基本的質疑が行われました。立憲民主党からは幹事長の福山哲郎議員が質問に立ち、(1)「働き方改革」関連法案(2)森友学園問題――等について政府の見解をただしました。

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題では、財務省が作成した決裁文書をめぐり、契約当時の文書の内容と問題発覚後に国会議員らに開示した文書の内容に違いがあることが明らかになったと同日の一部メディアが報じたことに言及。福山議員は「国会に出されたものとは別な文書があるのか」「別な文書があるのかどうか、その事実を知っているのかどうか」と迫りましたが、財務省の太田理財局長は「大阪地検で捜査中」を理由に答弁を避けました。

 福山議員はまた、森友学園に豊中市の国有地が売却された経緯について、昨年2月に財務省が提出した資料「豊中市所在の処分済国有地の経緯について」に、今年新たに開示された「森友学園事案についての法律相談の文書」には記載されている契約締結に向けて動き出した2014年度分がすべて抜け落ちていることを問題視。あらためて当時の担当者である佐川国税庁長官と安倍昭恵総理夫人の証人喚問を求めました。

 質疑後記者団の取材に応じた福山幹事長は、「不誠実で国民に説明する気持ちが全く感じられなかった。森友学園問題は、一年経ってもまだ問題が出てきていること自体、政府が説明責任を果たしていない証拠だ。追及している方が悪いのかと言ったら(総理は)『そうだ』と言って頷かれた。開き直るにも程がある」とコメント。質疑では、さまざまな問題をめぐる政府の姿勢を指摘したのに対し、安倍総理からは全く誠実な答えがなかったとして、「安倍政権は日本の統治機構をゆがめている。懸命に働いている官僚組織の政策決定をいびつにしている。非常に問題だ」と批判しました。

 森友学園問題では、財務省の文書書き換え疑惑に加え、売買契約締結に至る経緯をめぐり重要な部分を抜いた上で国会に提出していたこと、廃棄をしたと言いながら新たに文書が出てきたことなどの問題を挙げ、「大臣の責任もあると思うが、なぜこういう事態に至ったのかを佐川国税庁長官に出てきて(説明して)もらわないことには話が始まらない。われわれも国民に納得していただけるように、事実を示していきたい」などと述べました。

参院予算委員会 福山哲郎議員使用パネル「安倍政権の姿勢」