2018年度予算案の審議を行っている衆院予算委員会は27日夜、理事懇談会を開き今後の審議日程を協議。このなかで河村委員長は、28日の同委員会で締めくくり総括質疑を行った上で採決を行うことを提案、委員長職権でこれを決めました。立憲、無所属、希望、共産の野党4党の理事は、この提案には承服できないとして理事会を退席、その後揃って記者団の取材に応じました(写真は、左から希望の党・津村啓介、立憲民主党・逢坂誠二、無所属の会・原口一博、共産党・藤野保史各予算委理事)。
野党筆頭理事の逢坂誠二議員は、野党各党はこれまで佐川国税庁長官や安倍昭恵総理夫人などの証人喚問、「平成25年度労働時間総合実態調査」の再調査を再三にわたって求め、今回の締めくくり総括質疑を行うに当たってもこれらを実施するよう確約を求めてたと説明。こうした条件が達成されるのであれば今後の協議にも応じる予定があると話したが、それに対してはゼロ回答だったとして、「まったく誠意のある対応にはなっていない。明日の締めくくり総括質疑などには応ずることはできない」と述べました。
データ不備があるなかで再調査は実施せず、佐川長官らの証人喚問にも応じないというなかでの職権立てについての受け止めを問われると、逢坂議員は「あのデータ(「平成25年度労働時間総合実態調査」)は、日本の労働法制を大きく変える出発点にあるデータだ。そのデータに瑕疵(かし)がある。その瑕疵に基づいて、今後もしかすると労働時間が大幅に延びるのではないか、そのことに対して残業代が払われないのではないかという政策を判断することになる。これは国民を大きく苦しめる出発点になりかねないと思っている。再調査は必須だ」と力を込めました。
逢坂議員は、河村委員長の委員会裁きにも問題があると指摘。今後の対応については、こうしたことも含めて最終判断する考えを示しました。