衆院予算委員会で22日午後、働き方改革等に関する集中審議が開かれ、山尾志桜里、逢坂誠二両議員が質問に立ちました。
山尾議員は、(1)子育て世帯の働き方と待機児童問題(2)安倍総理が提案する「自衛隊の憲法明記案」――について質問しました。
安倍総理が自衛隊明記案の目的を「自衛隊に対して違憲合憲という議論が残っている。これをなくしていくことが私たちの世代の責任だ」としていることについて、「自衛権の行使が9条2項に違反するのではないかという関係において言われてきたこと。総理の提案が2項(戦力不保持、交戦権否認)をそのまま残すものである以上、違憲合憲の議論はなくならないのではないか」と指摘しました。答弁をはぐらかす安倍総理に対し山尾議員は、「あまりにも不誠実。憲法は、書けばその組織を合憲化させるような装置ではない。総理の目的は総理の提案では達成できない」などと断じました。
逢坂議員は、働き方改革関連法案に盛り込む裁量労働制をめぐり(1)厚労省の要請に基づき行われた労働政策研究・研修機構(GILPT)のデータを使わなかった理由(2)「平成25年度労働時間等総合実態調査」についての精査の在り方(3)労働政策議会(労政審)での審議の正統性――等について質問しました。
裁量労働制をめぐる労政審の審議では、政府が不適切だと認めた「平成25年度労働時間等総合実態調査」のみが使われていることから、根拠のないデータをもとに作られた法案の提出を見送るようあらためて主張しました。
労政審の議論の正統性を強弁する加藤厚生労働大臣に対し、「一般労働者と裁量制型労働者と条件が違う調査を、あたかも同一(の調査方法のもとでのデータ)であるかのようにこの3年間言い募っていた。政府はずっと誤ってきたが、謝罪も撤回もした。(それでも)労政審だけが適切に理解していたと言えるのか」と迫りました。
「平成25年度労働時間等総合実態調査」をめぐっては、新たに117件もの不備や誤りがあることが明らかになっています。質疑のなかで加藤厚労大臣は「それ以外についても今精査をしているところだ」と答弁し、さらに誤りがある可能性を認めました。また、基になった調査票が出てきたことから、この調査票の精査をいつまでに行うのか期限を示すよう迫るとともに、調査票を同委員会にも提出するよう求めました。