衆院予算委員会で13日、経済問題等に関する集中審議が行われ、代表代行兼政務調査会長の長妻昭議員が質問に立ちました。長妻議員は、(1)働き方改革(2)国税庁長官の人事――を中心に取り上げ、安倍総理ら政府の見解をただしました。

 働き方改革をめぐっては、前回1月29日の質疑で安倍総理が「裁量労働法制で働く人の労働時間は平均で一般の労働者より短いというデータもある」と説明した、その根拠となるデータについて「整合性が取れないのではないか」と指摘。総理の説明を前提にした新聞報道があることも問題視して発言の撤回を求めましたが、安倍総理はこれには応じず、加藤厚生労働大臣が「精査する」と答弁するにとどまりました。

 長妻議員はこれについて質疑後、「重要データが仮に間違っているということであれば訂正・撤回をし、労働法制自体も大きく見直す必要があると考えている。過労死で家族を失ったご遺族の方と今日もお会いしたが、本当に皆さん心配されている。これ以上過労死を生まないために戦っていく」とコメント。さらに「安倍総理は『労働法制は岩盤規制であり、自分が先頭に立って穴を開ける』という緩和一方の労働法制観を持っておられるが、われわれはゆとりある働き方を実現しなければ高付加価値を生み出す、稼ぐ力は上がらない。そのために労働法制を緩める一方ではなく、規制を強めるべきところは強めるべきだという考えであり、真っ向から労働法制観が違う」と強調しました。

 森友学園への国有地売却問題をめぐっては、当時担当者として国会で答弁していた佐川前理財局長を国税庁長官に充てた人事をあらためて批判。財務省から学園側との交渉内容が含まれる新たな資料が続々と提出されるなか、安倍総理に「適材適所」とした発言の是非をただしましたが直接の答弁は拒否しました。

 長妻議員は質疑後、「当時の佐川局長の答弁の信憑性がどんどん崩れる資料が出てきているにもかかわらず、『記者会見をしないでもいい』『国会に来なくてもいい』と自民党は頑張っているが、それでは税の信頼が回復できない。会計検査院からも森友学園への土地の払い下げの価格が適正でないという判断が下った以上、総理あるいは財務省、佐川国税庁長の誰も責任を取らないことはありえない。ここであいまいに終わらせれば第2、第3の森友学園問題が起きかねない」と、引き続き佐川国税庁長官の証人喚問を求めていく考えを示しました。